当院は積極的に浮針療法を取り入れています。
浮針療法は伝統鍼術に基づき、中国の符仲華博士によって発明された新しい針刺術であります。浮針治療は、一回使い捨ての専用針を使い、皮下結合組織まで刺し、浅表組織しか刺さないことを因んで浮針と名付けました。この療法は疼痛性疾患、特に限局性疼痛に対し、驚異的な効果を発揮しています。例えば、テニス肘の痛み、ぎっくり腰の ような痛みは殆ど1回で完治することは当たり前のことです。
特 長
★安全
浮針の作用部位は身体の浅表部、つまり皮下組織なので、深刺はいりません。身体の深部にある重要な血管、神経など傷つけることはありえません。 又、伝統針のような断針、渋針、弯針などの心配もありません。
★速効
浮針は速効性が優れています。痛みはその場で消えます。
浮針の適応症
浮針療法は疼痛の治療、特に限局性の痛みに驚異的な効果を発揮しています。限局性の痛みとは痛みの部位は漫然ではなく、どこかはっきり言えるような痛みです。考えてみると、疼痛性疾患はほとんど限局性の痛みで、この立場で言えば、浮針はほとんどの痛みに効きます。頭痛、頚項部痛、五十肩、テニス肘、腱鞘炎、帯状疱疹神経痛、腰背筋筋膜症、急・慢性腰痛症、頚椎・腰椎ヘルニア、変形性膝関節症、早期リウマチ、早期大腿骨骨頭壊死、足首捻挫、踵痛症、胃痛、胆管・尿管結石痛、生理痛、癌性疼痛などです。
いくつかの例を挙げます。
★テニス肘、ぎっくり腰の場合、ほとんどは1回だけの治療で治ります。最低9割の痛みをその場で取れます。
★胆石や尿路結石の場合、胆石や尿路結石による激しい絞痛は浮針を刺した瞬間、痛みが消えます。本当に麻酔薬よりも速いです。
★変形性膝関節症の場合、この病気は整形外科医の悪戦苦闘の疾患の一つですが、なかなか良い結果が出せないのは現実のようです。私にとって、頭の痛い疾患でした。浮針に出会ってから、この疾患の治療に自信を持つようになりました。私の経験した、いろんな変形性膝関節症治療法の中で浮針より効果の良い治療法はありませんでした。大体1~3回で痛みが取れます。
★男性の慢性前立腺炎、女性の慢性卵巣・卵管炎の場合、このような病気は炎症があるので、病院では抗生物質が出されます、が、抗生物質が長く飲むと、副作用、薬の耐性などの心配が出ます。浮針はこのような病気にも意外に効果がいいです。慢性前立腺炎による尿頻、尿道刺激症状、慢性卵巣・卵管炎による腹痛・不妊など意外に簡単に改善されます。
浮針と伝統鍼の違い
◎ 作用部位の違い
伝統針灸の針はツボに刺入した時、一般的に皮膚、皮下、脂肪層、筋肉層など多層組織に達し、作用します。浮針は皮下組織だけで、深刺の必要性は絶対ありません。
◎ 手技の違い
伝統針灸の針は刺激を増やすために旋捻術、雀啄術など使います。浮針は刺し方が水平 刺に相当する。刺したあと、皮下組織で扇形のように針を左右に動かすことが要求されます。これは効き目の決め手です。痛そうに思いますが、全く痛くありません。
◎ 針具の違い
浮針は伝統針の針身の部分にプラスチックの針管を巻いています。その目的は針を刺し込んだあと、左右に動かす時に、針先が組織に直接当たらないように痛みを防げます。もう一つは針を抜いた後、針管だけを留置し、置針として働き、治療効果を高めることができます。
◎ 発想の違い
伝統鍼灸は経絡を重視し、ツボに鍼を刺しますが、浮針は全く経絡、ツボのことを考えていまん。伝統鍼灸は痛点を直接刺す場合が少なくないが、浮針は絶対痛点を直接刺激することはありません。伝統鍼灸は刺入方向の違いによって補瀉になりますが、浮針は必ず病所に向かって刺します。反対方向に向かって刺すと全く効果ありません。
まとめ
浮針は疼痛性疾患の治療にたいへん優れる治療法です。伝統鍼をピストルと例えるなら、 浮針が 少なくとも機関銃に当たります。一人でも多く頑固な痛みから早く解放されるように浮針療法の普及を願っています。
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